朝顔日記

音楽のことなど

2002-12-27

けんたろさん(誰)のリクエストにお応えして。(謎) ちょっとずつ不定期連載ということで。

高校生の頃

中学生の頃聞きまくっていたビートルズから、もう少しハードなロックに趣味がかわりブリティッシュ系のロックを好んで聴いていた。Led Zeppelin とか、Cream とか。当時の高校生では多かったパターンだ。とくに私は、Jeff Beck のギターが好きで、自分でギターを買って練習してみたりもしたが、ほとんど弾けなかった。

その系統の音楽を聴き込むにつれ、どうしてもたどり着くのがブルースと呼ばれるジャンルである。しかし、田舎に住んでいたためろくなレコード(CDじゃないよ)を手に入れることも出来ず、それらしいものでゲット出来たのは、BB.King の "Live at the Regal" くらいだった。しかし、あれはなかなかいいアルバムだったと今でも思う。

その頃から、クロスオーバーとかフュージョンとか呼ばれるジャンルのものが流行り出して、ギター小僧としては、一応聴いていましたね。超絶的なギターテクニックに憧れましたが、憧れただけでした。:p)

あと、もう少し洗練された系のものとしては、SteelyDan とか、WetherReport なんかも聴きました。お洒落でしたね。

バンドを作るほどうまくなかったし、メンバーも集めれなかったので、ライブとかはやりませんでした。ただ、一度だけ、高校の演劇部から地元の大蛇伝説を題材にした芝居の効果音を作ってくれと頼まれて、学校の放送室をスタジオ代わりに使わせてもらい、ギターにエフェクトかけてごにょごにょしてみたことがあります。

娘は実は大蛇で、悲しいけれどその正体を明かさねばならなくなり、本当の姿に化身する、そんなシーンの効果音です。おどろおどろしくしようと躍起になって作ってみましたが、結局採用されませんでした。実際に芝居のそのシーンで使われたのは、King Crimson の "The Court of the Crimson King" で、私が作ったものよりはるかにマッチしており不採用でよかったです。私は、そのままその芝居を少し手伝い、ドライアイス係をしました。

オールアローン

大学生になり、名古屋に住むことになった。大学のそばのアパートに下宿したのだ。四畳半一間で、トイレ共同、台所無しで、家賃は確か月1万2千円ではなかったかな。

下宿の隣に住んでいたのが、N沢で、彼はニューミュージックファンだった。同じ大学の私は経済学部で、彼は農学部でした。ある時、彼に教えてもらったのか、あるいは他の人だったのか忘れましたが、近所にジャズ喫茶があるのでいっしょに行ってみようということになりました。私が「All Alone」と出合った瞬間です。もし、私がオールアローンへ行っていなかったら、おそらくまったく違った人生を送っていたと思う。

昔はジャズ喫茶といえばそういう店も結構あったらしいのですが、オールアローンは昔気質のジャズ喫茶なので、店内会話禁止でした。店内に入ると、ヒゲのマスターにぼそぼそ小声でコーヒーを頼み、あとは椅子に座って大音量で流れるジャズに聴きいるというのが、オールアローンの習いだったのです。毎日4時間くらいはコーヒー一杯でジャズを聴いていましたね。

マスターは自分で演奏していた頃は、フリージャズを演奏していたそうで、店でかかるのレコードもハードなものが多かったです。その影響で、私やN沢もそういう傾向に流れていきました。オールアローンではリクエストも可能で、マスターに小声で耳打ちするように「Impressions の B 面」とかいうとちゃんと片面丸々かけてくれたのです。それにすごいのは、どんなハードなものをリクエストしてもかけてくれたことです。所蔵レコードを記したノートが有り、それを見てはわけもわからずリクエストしていました。徐々に、演奏者の名前やスタイルを覚えていくうちにどんどんジャズの虜になっていきました。ハードなものを好むようになっていったので私が、リクエストすると帰るお客さんが多かったです。:p)

店においてあるジャズ関係の雑誌やなんかも一応読んだりしました。あるとき、なにかで世界最初の記念すべきフリージャズのアルバムは、Ornette Coleman の "The Shape of Jazz to Come" だ、みたいな記事を見つけました。早速それは聴いてみないとイカンと思って、リストにあるか調べてみました。ちゃんと載っていました。勇んで、マスターにリクエストしました。するとマスターは怪訝な顔をしています。しばらくすると、マスターは振り返って、スピーカーの横に置いてあるレコードジャケットを指差しました。なんと、今かかっていたのがまさに、"The Shape of Jazz to Come" だったのです。(恥

ある日、衝撃的な音に出会いました。阿部薫の「彗星パルティータ」がかかったのです。私は完全に逝ってしまいました。説明不能です。凄すぎです。ただアルトサックスをひとりでめちゃめちゃに吹いているだけなのに。だけなのに。だけなのに…。

これがやりたい! そう思いました。

(続く)

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