ブナの実生
2006-06-22
一昨年はブナの実がひどい不作で、ブナの実を食べて冬眠に備えるクマが充分に栄養を蓄えることが出来ず里に出没したりしては、よくニュースになったりしました。たいして昨年はブナの実が豊作だったので、秋にクマが里に出没した件数はかなり少なかったと聞いています。
6月18~19日にかけて、北アルプス朝日岳へ行ってきたのですが、その際も5合目近辺のブナ林の辺りでは昨年のブナの豊作の名残がたくさん見られました。以下、何枚かの写真をご覧ください。
まずは、まだ残っているブナの実です。場所によっては溜まるのかたくさんの実がまだ落ちていました。
種子から発芽して、まだ子葉をつけた状態のことを
もう少し未成熟なものも載せておきましょう。
さらに、未済熟なもの。まだ実の殻をつけています。
ブナは7、8年周期で大豊作になるそうですが、その翌年はクマはもちろんのこと、ネズミなどの小動物も生息数がぐんと増えるそうです。実をたくさん食べることで繁殖力も上がるのでしょうね。
ちなみに、これらの実生のほとんどは成長することなく枯れてしまうそうです。大きなブナの木が倒壊したりして地面に日が射すようにならないと育たないというのがその理由だそうです。生存競争は植物の世界も厳しいですね。
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この記事へのツッコミ
- 1: Funkey (2011-10-28T17:16:38+09:00)
- ブナの豊凶のサイクルが存在することでより実生発芽しやすくさせているといわれています。
詳しくいうと、数年間凶作によって動物の個体数を減らし、そこで豊作の年に多量の種子を落とすことで動物が食べ残して、それらの種子が翌年に発芽します。
これはある意味でブナの戦略ともいえます。
ちなみにこのブナの豊凶は全国規模でほぼ同調しています。
動物の中でも特にネズミは豊作の年の直後に個体数が大幅に増加しますが、一時的であり、凶作が続くに従い個体数は減少していきます。
最近、やたらとクマの出没が相次いでいますが、凶作が必ずしも本当の原因ではありません。
クマを撃つ人が少なくなったことや、里山地域の過疎化と荒廃によってクマが人の生活圏にまで行動範囲を広げているなどの影響であるといわれています。
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