朝顔日記

Web 日記占い

2003-03-12

/*inu-memo*/ 経由でWeb日記占いをやってみる。

のり さんは 思考日記 を書くと多くの人を魅了します。

あなたは純粋に自分の考えを論理的に推し進める形の文章で作られた日記を書くと成功するかも知れません。

のり さんが書く日記の性質
人間度 50
精神度 66
思考度 80
変態っぽさ 75
やましさ 66
のり さんの日記のオススメの題名
虫歯と私日記
のり さんが今日書くと良い話
一昼夜かけて
おそらくロココ調
驚いたのは便器から
うっすらと透けて見えて

上の言葉をすべて使って 年を感じた話 風にまとめると良いかも。

というわけなので、そのように書いてみた。:p) 文中の強調部分は、お題の部分です。

虫歯と私日記

手元にひとつのコップがある。一見何の変哲もないただのコップのようであるが、そう見えるのは私の内省が足りないためだろう。このコップが私の手元にやってくるまでには、様々な出来事があった筈だ。原料を取ってきた人もいれば、それをガラスにした人、ガラスをコップにした人、おそらくはコップを売った人、買って手放した人。その時々でいろいろなドラマがあった筈なのだ。

私は、一昼夜かけてこのコップと語り合おうと思う。

私の手元にこのコップを届けてくれたのはN君である。彼は、このコップをフリーマーケットで手に入れたらしい。一目見て私に似合う気がしたので思わず買ってしまったといっていた。古ぼけた金属のケースに入ってそのコップはあった。今は錆びてしまって見る影もないような箱だが、おそらくロココ調の紋様が刻まれたそれは、結構高価な品だったのではないか。N君は300円で手に入れたと言っていたが…。

コップはいわゆるタンブラーと呼ばれる平底のやや大きめのものだ。透明だが、やや青みを帯びている。飾りは全くないが、元は飲み口の周りに金でも引いてあったのだろう。光にかざしてみるとその名残がうっすらと透けて見えている。おそらくは、食卓で水でも飲むのに日々使われていたのではないか。今はガラスも擦り切れたのか、それが持つ本来のきらめくような光沢は失われ、鈍く光っている。持ち主がそんなことも気が付かない位、日常的に愛用していたに違いないのだ。ただ、どこも欠けることもなく丁寧に扱われていたであろうことは、このコップを見たものならばすぐに気が付くだろう。

そんな日々の生活をともにするようなコップを前の持ち主は何故手放したのだろうか。普通、そういう類のものは手放したりはしない。落として割ってしまうとかそういう末路を辿るはずなのに。

こうは考えられないだろうか。このコップは前の持ち主も誰かからプレゼントされたものだった。彼はプレゼントがうれしくて、日々それを大切に扱い愛着をもって使っていた。しかし、彼とそれを送った人の間で何かがおきて、それゆえにそのコップを使いつづけることができなくなった、と。

この考えは私を喜ばせた。このコップは悲恋のコップなのかもしれない。しかしそうだろうか?あるいはこういうことも考えられる

コップよりも先に前の持ち主の寿命が尽きた。それで遺族が、形見分けにそのコップを友人か誰かに譲り渡し、それをたいしてありがたく思わない友人が売り飛ばしたとか。

この考えが浮かぶにいたり私は急速にこのコップが不浄なものに感じられてきた。こんなコップのどこに歴史があるというのか。

数日後、私は妻にコップを処分するよう頼んだ。それからしばらくそのコップのことは忘れてしまっていた。きっと妻は不燃ゴミか何かに出してしまったに違いないと思っていた。ところが、驚いたのは便器から立ち上がったときだ。なんと座り込んでいる時は気がつかなかったのだが、あのコップは、トイレの中で安っぽい造花を活けて今も我が家にあったのだった。

それにしても、コップの処分をしなかった妻を咎める気になれない私は、それなりに年をとったということか。

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